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大学の教員を目指す人だが、だいたい何歳ぐらいから教員になれるだろうか。私の知人、友人たちの多くは30歳代の後半ぐらいから大学教員になった場合が多い。ここで、仮に、38歳で大学教員になった人がいたと仮定する。

すると、大学卒業後の22歳から38歳までの16年間だが、年金はどうなっているのか。小中高校の教員、企業の研究職、などから大学教員になった人は、卒業してすぐに就職したのであるから、その間は年金保険料を強制的に払わされてきたのである。とにかく年金保険料の支払いが続いていたのだからいい。公立共済年金、私学共済年金である。企業では厚生年金がある。そこでこれまで納めた年金保険料が活きてくるのである。

一般的に大学教員を目指す人は、修士課程、博士課程を得て、数年間非常勤講師を掛け持ちして、そしてやっと38歳で大学教員になったとする。すると、その歳から、共済年金に加入することになる。それまではどこの年金にも加入していないこともある。まあ、国民年金保険料は払っていただろうが、やはりそれだけでは足りない。要は、肝心の共済年金がどれくらいもらえるかが重要である。

65歳が定年の大学が多い。昔はそれ以降も特任という形で雇用されていたが、このご時世、65歳であっさりと定年となり、定年延長がされないことが普通になってきた。すると頼りになるのは年金だが、38歳から65歳までの27年間では、納めた年金保険料にあう形の年金支給額は決して多くはない。

昔は、38歳で大学教員になっても、70歳以上まで働けるから、年金支給額の不利な面はある程度は解消されていた。しかし、65歳定年が一般的になり、さらには非常勤講師までも65歳以上は雇用はしない、という大学も増えてきた。

若手の研究者の雇用機会が少ないことが問題となっているが、65歳以上のシニアの研究者の生活も厳しいのである。

解決策はどうすればいいのか。それは、その人が定職を得たら、すぐに個人年金に加入しておくことだ。「自分は貯金を貯めて老後はそれでなんとかする」と豪語する人もいるが、あれば使ってしまうのが人間の性(さが)である。なかなか貯金という方法では金はたまらない。年金という形で定期的に支給されるほうが、はるかに安心である。

大学教員になれたとしたら、すぐに定年の日もそんなに遠くはないのだと覚悟して、定年後の身の振り方も考えておく必要がある。