Yahoo!ニュース(12月27日)で東海大学の非常勤講師の雇い止めの記事が出た。このような記事は読んでいると本当に辛くなる。高度成長期ならば、大学の拡大が続き、常勤。非常勤を問わず、人手が必要であった。20年ほど前から、大学の受難時代が始まったのだ。ただ、東海大学のような大手の大学が大量の雇い止めをするとは信じがたいほどである。一度、東海大学に勤務している人とお話をしたことがある。その人は、「東海大学はたくさんの付属高校があり、そこからたくさんの高校生を受け入れているので、学生募集には苦労しない」と教えてくれた。その話を聞いた時は、自分の勤務校は学生募集で四苦八苦していたので、羨ましいと感じた。

さらに、その人は、「東海大学では、ハイレベルの研究を続けることが要求されて辛い」とも述べていた。「大学院を担当する教員は数年に一回ほど研究業績の審査があり、一定の基準に達しないと大学院担当から外される」とのことであった。私の勤務校はそのような縛りはなくて、大学院担当の教員でも、比較的のんびり(?)とマイペースで研究ができた。

東海大学は、大学の将来について非常な危機感を抱いているということか。こんな大手の大学でも危機感を抱くのであるから、私の勤務校の抱く危機感は半端ではないとも思う。ただ、東海大学のような大手の大学は、所属する大学生の数も多いと思う。定員は何万人もいるのではないか。そんな大勢の生徒をこれからの時代も集めることはできるのか。設備の維持費でも巨額に上ると思う。この点では、小規模大学は数百人の学生を集めるだけで、生き伸びていけるほどに、すでにスリム化しているので、かえって小規模大学の方が安全ではと思ったりもする。

大学院に進む学生たちは、これからの時代は専任の職を得るのはますます難しくなると考えるべきだ。ただ、小中高の教員が大学院に行って、一種の教職免許状から専修免許状にすることで昇格や昇給に繋がるので意味あることだろう。漠然と研究職を目指しての大学院にゆくのは自分の能力や実家の経済状態を考えながら決めるべきだろう。