大学院を受ける場合、特に博士課程では、指導する先生もかなり労力をさくことになります。あんまり自分とは無関係な分野を指導することは難しいので、本当は自分の専門分野に興味を持ってくれる学生を選びたいのです。

できたら指導教官がかかえている仕事を手伝いするという形で博士課程に進学してくれる学生がいることが、指導教官の立場からは一番望ましいのです。博士課程の学生の指導をすることで、自分の専門分野を深めることになります。できたら、あなたから何か素晴らしいアイデアでも得られないかな、などど虫のいいことを考えているかもしれません。

でも、なかなか関心を持つ分野がぴったり重なることは少ないのです。このあたりは、双方がある程度は妥協する必要があります。

師匠とお弟子さんという関係は、その後も長く続く場合があります。師匠となる大先生のもとで、仕事を手伝うことで、本の出版の執筆者や、科研費の研究分担者に加えてもらうこともあります。大先生の下で、学会が開催されることがあります。そのときは、お手伝いをする必要があります。

マイクやパソコンの設定、受付や会計、懇親会の準備、など沢山あります。これらの雑務を嫌な顔をしないで引き受けると、大先生の覚えめでたくなります。

その意味では、大先生の下に付くのはいいことですが、あまりに長老の先生でしたら、先生はすぐに定年退職となるので、将来性のある50歳ぐらいの先生につくのがいいかもしれません。ちょうどあなたが非常勤講師などで数年たったあたりで、当時50歳ぐらいだった先生は一番の実力者になっている可能性があります。

あるいは、このあたり、計算高くても、自分が全然関心を持てない分野とか、他に勉強したい分野があるときは、無理をする必要はありません。このあたりは、常識的な範囲で行動すればいいでしょう。