たくさんの論文を発表しておくことが必要です。少数の良質の論文を発表するという態度は立派です。でも、あえて言うならば、私は、質より量が大切であると言い切ってしまいます。

そう言うと、誤解を受けるかもしれません。要は、量を積み重ねていくと、ある日、それが質へと転化すると言いたいのです。たくさんの論文を書く癖を付けておくと、いつの間にやら高い評価を受けるような論文を生み出すことができるようになります。

アイデアをたくさん溜めておきましょう。できれば、Dropbox とかEvernote のように、クラウドにたくさん入れておきましょう。歩いているときとか、学会で人の発表を聴いていたときとか、何かアイデアが浮かんだときに、逃がさないようにすることが大切なのです。

ノートや手帳に記すのもいいでしょう。あるいは、スマホに書き込むこともいいでしょう。とにかく、これは将来論文執筆に役立つと思われるアイデアは、その場で捕まえるのです。

自分だけの場所が確保できれば、そこで音声で入力したり、配布されたデータは写真を撮っておきましょう。あるいは、相手のパワーポイントの発表は、もしも配布物がないときは、画面を写真撮影することもできます。

とにかく、ちょっとでも役立つかなと予感めいたものを感じたら、積極的に取りこむといいでしょう。

論文執筆とは、要は自分の溜めたアイデア群を上手に、見栄えがするように並べ替えることであると言っても過言ではないでしょう。

一度、活字化しておくと、それは大切な財産になります。再活用したり、加筆してより精緻なアイデアに築きあげたりできます。

たくさん書いて、でも究極的には、良質な論文をたくさん書くことが目的なのです。