大学関係者の間では、2018年問題ということがよく話題になっていた。具体的には、今までは漸減状態で少しずつ減っていた18歳人口がこの年を境に急激に下がりはじめるのだ。

「大学はバタバタ倒産する」と、この10年ぐらい以前から言われていた。しかし、思ったほど大学の倒産はなかった。大学の過去の蓄えがあったので、定員割れをおこしても持ちこたえる力が意外とあったのだ。

しかし、2018年からは急速に18最人口が減り始める。これまで何とか持っていた大学は体力切れで倒産も増えるだろうと言われている。

収入が増えないならば、支出を減らすしかない。大学の支出の最大は人件費である。非常勤講師の数を減らす。できるだけ、常勤の教員で対応する。自分の専門と異なるので授業は持てないなどという苦情は受け付けない。ドイツ語を教えていた教員が次の年から英語を教えるようにと言われることもある。

一人当たりの持ちコマ数は5コマだったのが、6コマへ、8コマへと増えてゆく。

今までは、事務局の仕事だったことが教員の仕事になる。学生の授業料の未納があれば、教員が保護者に電話して納入の催促をするようになる。

そんな中で一番の問題は、やはり正規教員の採用の現象である。さらには、運良く採用となっても、任期付きの場合がある。私立大学の任期付き雇用は、任期明けには正式採用になることも多い。国立大学では、そのあたりかなり厳格な運用で、任期明けにはお払い箱になることも多い。

そんな寒い北風が2018年を境にますます強く吹くようになる。

とにかく、国全体が少子化の強い影響を受けている中で、大学だけが安穏としてはいられない。厳しい逆風が吹いていくるのは当然と受け止める必要がある。

そんな中で、大学教員を目指す人は、あくまでも正攻法で行くしかないであろう。論文を書いて、投稿して、学会で発表して、名前を売ってゆく。そして、公募があったら、こまめに応募する。最近は公募を経由しないで、コネで採用することも増えてきた。が、やはり、正攻法で進むしかないのである。