今、自分が勤務しているところは地方大学である。このような大学では、昨年末ぐらいから求人活動が始まることがある。これは大学全体における求人の順番と関係する。

大手の私立大学や旧帝大などでは定年退職者の補充をすることから、どれくらいの数を求人しなければならないか、前年ぐらいから分かる。募集活動も早めに行う。それを受けて、主として中堅大学に勤務していて、ある程度は業績に自身のある方が応募する。そして夏ごろまでには採用が決まる。

すると、割愛願いが出てくる。それを受けて、中堅大学でも公募をして補充をしなければならない。すると、弱小大学の教員たちがそこに応募することになる。すぐには決まらない。書類選考や面接を経過して、教授会の承認を受けるのは、数ヶ月かかることになる。

弱小大学が割愛願いを受け取るのは、秋過ぎになることもある。すると、大慌てだ。早速、教員の陣容を組み直さないといけない。公募をしている時間はない。そのために、人的なネットワークを頼ることになる。

こんな時は、業績云々と言っていられない。とにかく、3月31日までには、次の年度の授業する陣容を整えなければならない。また、この時期は非常勤講師からも常勤の勤務先が決まったので次年度からの出講の辞退したい旨の連絡が来る。弱小大学の学部長・学科長たちは大変である。知人や、その知人の知人などを介して、人を探さなければならない。

私の勤務校は地方の弱小大学なので、この時期は人事関係の仕事が忙しい。新採の教員の専門はどうかなどと言えない場合がある。緊急避難的に動かなければならないことがある。この人はこの教科を教えられるのか、と首をかしげることもあるが、それはそれで仕方がない。

まだ若くて、業績もイマイチという人はこの時期を期待するといいかもしれない。そのためにも、普段から人的ネットワークを築き上げておくことだ。学会や研究会などで名前を売っておく必要がある。するとこの時期に声がかかってくることがある。