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いろいろな人と話をしていると、教員の採用は公募からコネ採用へと変化しているように感じる。

教員の採用は本来ならば、公募が望ましい。広く全国から、候補者を募って、それらの人々の資格や適性を調べた上で、その大学に一番ふさわしい人を選ぶのだ。この方法だと最も有能な人を選べるので、望ましい方法である。

この方法の欠点は、とにかく手間暇がかかることである。たくさんの人が応募してくる。中には何でもいいから応募しようとして、つまり、「ダメもと」で応募してくるのだ。その人たちの書類を読み、同封されてきた論文をも読み、候補者を絞って行く。大変な作業であるので、採用の担当にあたる人はできれば他人に押し付けたい仕事である。

とにかく、時間がかかるのである。何人もと面接を行う。面接の結果の報告書を書いたりと選考委員会の仕事は大変である。そして、せっかく決めても、相手から辞退されることもある。こちらの労力が空振りになった気がして、なんだか疲れてしまう。

また、選考委員会で決めた人物が、上層部の人々、理事長、学長、学部長などのお気に召さなくて、振り出しに戻ることもある。そんなことならば、最初から上層部に人選を任せた方がいいのではという意見も出てくる。

現在は、大学が変わらなければならない時期である。人事とは非常に大事なことである。この場合、公募制度だと時間がかかるすぎるという欠点がある。それよりは、非常勤講師の中から、あるいは学会で知り合った若手の人の中から選んだ方が、スピーディだし、またその人物もよく知っているので安心であるということもある。

時代の変化に合わせて、大学がスピーディに対応できる体制を作るためには、コネ採用の方が望ましいと考える大学関係者が増えているように感じる。

国公立の大学では公募制を続けているところも多い。それでも、外部に対して公募制で人を採用しているという姿を示すためだけで、実態は採用する人物を事前に決めている場合も多い。そんな公募に応募する人物は最初から無駄足になるわけで、たまったものではない。

さて、いろいろなことがあるが、これから大学の教員を目指す人は、jrec-in でよさそうな公募があれば応募することだ。もう採用する人は決まっているのかもしれないが、外部の人物にはわからないので、とにかく応募することだ。そして、学会でも積極的に発表して、名前を人々に覚えてもらう。学会の懇親会でも参加すべきだ。学会誌にも積極的に投稿すべきだ。

そんな地道な努力を積み重ねるしかないであろう。