大学院生がどこかの学会で発表をしたら、かなり厳しいコメントや意地悪な質問が出たりして、発表後に落ち込むことがあるかもしれません。

予想外の質問が出たりすると、頭が真っ白になります。自分でも情けない答えだなと自己嫌悪に陥ることがあります。自分のパフォーマンスは失敗だったと反省することもあるでしょう。

しかし、これらは乗り越えなければならない試練なのです。評価の定まった研究者が発表する場合は、聴衆も知見を得よう、何か新しい情報を得ようと考えています。しかし、大学院生の発表は、参加者たちは、この大学院生を鍛えることが仕事だと考えます。

ですので、大学生の発表の際のちょっとした言葉の使い方や論理の不十分な点は厳しく指摘されます。それらに答えるのに言葉が詰まることがあるかもしれません。大学生の学会発表とは、要は、それらの経験をすること、叩かれる経験をすることに意味があります。できるだけたくさんの経験値を積むことがいいのです。

あとは他人の発表も聞いても、積極的に質問をしましょう。自分は頭がいいのだということを見せびらかすために質問をする人もいますが、大学院生はそんな風な質問をしてはいけません。

発表者が更に語りたいようなことを上手に誘導するような質問がいいでしょう。たとえば、「この研究の将来の方向はなんでしょうか」とか、「今後はどのように研究を発展させていくのですか」などは発表者が喜ぶ質問です。

とにかく、いろいろな学会に所属して、毎回積極的に発表していくことです。さらに自分が聴衆になったときは、質問もどしどし行う。人々に自分の顔を覚えてもらわなければなりません。いろいろな方と face to face でお話をしたという経験が将来生きてゆくのです。