大学教授になるには

会社員、高校教員、大学教員、どれが一番いいか。


自分の人生を振り返ると、会社員→高校教員→大学教員、という順番で仕事を変えてきた。やはり大学教員という仕事が一番いい。その理由は、給料がいいとか、時間に余裕があるとか、いろいろ理由があるが、やはり人間関係だ。

会社では、嫌な人物とも同じ部署ならば付き合わざるを得ない。顔を見るとげんなりする人物とも、表面的には大人の対応をしなければならない。でも、大学では、研究室があるから、ほとんど同僚と顔を合わせることはない。月に何回かある学科会議や教授会で顔をあわせる程度だ。ほとんど無視できる程度なのがいい。

会社では、上司との関係も難しい。失敗をすれば叱責はされるし、要領が悪いと出世も遅くなる。人格的におかしな人でも上司ならばペコペコしてご機嫌伺いをしなければならない。ところが、大学では、その点が、かなり楽になる。

大学でも人間の世界なので、上下関係はある。しかし、会社員時代ほどの理不尽な緊張を仕入れられることはない。ボーナスの査定もない大学が多いだろう。何もしても、〇〇ヶ月とボーナス額が決まっているのは気楽である。

大学での昇進や格上の大学に移るには、自分の学問的な業績がかなり左右する。会社では、対人関係プラス実力で、その人の昇進が決まる。大学でも、対人関係は大切だが、その人の実力(学問的な業績)の度合いがかなり強まる。対人関係を構築する能力がゼロに近い人でも、学問的な業績があれば、何とかやっていけるのが、この世界の特異性かもしれない。

高校教員の世界は、会社員と比べると、かなり大学教員の世界に近い。基本的には人々は平等関係にあるのはいい。さらに、売り上げ競争をしなくて済むのはいい。ただ、生徒の質にかなり影響される。進学校で教えて、質の良い生徒に毎日接すると楽しいのだが、底辺校で教えてヤクザまがいの生徒に接していると気持ちが落ち込んでしまう。高校教員の生活はどのレベルの高校で教えるかという点にかなり影響される。