大学教授になるには

コロナウイルスと非常勤講師


コロナウイルスが蔓延している。年初は中国での出来事とあまり危機感を抱いていなかったが、ここにきて事態が急変してきた。非常事態宣言が出され、学校が閉鎖となり、大学の授業はすべてオンラインで行うとである。あわただしい動きで教員の多くは戸惑っている。

現在、学生への連絡をどのようにしようか本務校も混乱している。Zoomというアプリを使ってオンラインで授業ができるという話で、教員たちは、その解説書をながめたりしている。でも、教員が分かったとしても、学生は分かるのか。

特に、新入生にはどのように連絡をしたらいいのか困っている。入学して、数か月が経過して、ある程度情報機器の使い方、学内ランの使い方に慣れたならば、何とか対応できたかもしれない。しかし、入学式の次の日から学内閉鎖となった本学のような場合は、どのように学生に連絡したらいいのか困っている。学生はパソコンを持っているのか、iPad などで代用できるのか、まず学生の実態調査から始めなければならない。そうでなければ、オンラインの授業など不可能だ。学生への授業の仕方で大混乱だ。

ところで、もう一つ困った点がある。非常勤講師の先生方への連絡だ。通常は教務課が行っているが、非常勤講師の数も多いので各学科の教員からも連絡する必要がある。非常勤講師の方々は情報機器にどの程度慣れているか千差万別である。理系や若手の方は、すぐにでも対応できるかもしれないが、年配の方は難しいかもしれない。また、本学のネットワークにログインの仕方を知っているのか、知っていたとしてもそこからオンラインの授業ができるか分からない。非常勤講師の先生方の情報機器への対応能力の実態調査が必要だ。

そのために、つぎのような対応が行われそうだ。
(1)学生数が少なそうで、情報機器の操作に不慣れな講師の方の授業は本年度は開講しない。つまり、次年度にまわしてもカリキュラムの運営に差し支えない科目が対象となる。
(2)当初の1,2か月(もっと長くなるかもしれない)は授業は行わない。休講となった場合は、補講をするかどうかも未定だ。もしかすると、4月5月分の講師料は支払わない可能性がある。

(2)のように講師料が未支払いだと打撃を受ける先生方が出てくる。大学によっては、半年で15回の講師料は固定してあり、授業がない8月なども支払う大学がある。だが、私の勤務校は、授業を行った回数に応じて支払う。よって夏休みなどは無給となる。講師料を固定してある大学も、ことしは異例の措置として支払いが遅れるかもしれない。それは、非常勤講師先を複数担当することで、生計を立てている人にとっては非常に手痛いことである。

今年度は、学会の延期や中止が目立っている。学会発表などで場数をふまなければらならどない若手の人にとっては機会を逸するので残念なことである。学会誌への投稿は受け付けると思うのだが、学会の査読委員会などは順調に開かれるだろうか。例年よりも遅れるのではないか。

公募もそろそろそろってくるだろうが、今年度はどうするのか。面接などが行われるのか。オンライン面接はないだろう。やはり対面での面接だと思う。いずれにせよ、公募戦線も例年とは異なるだろうが、どのように異なるか、いまだ見えてきていない。