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個人的なことで恐縮だが、本日からある大学で特任教授として働くことになった。辞令をいただいたので、これで確実に採用になったのだ。この日まで、内定取り消しの事例などをネットで見るたびに不安な気がしていた。大学によっては、内定通知書を出さないで、単にメールだけで4月1日にどこどこに来てくれという案内だけのところもある。この大学は、一応、内定通知書を送ってくれたので大丈夫だとは思っていたが、それでも100%は安心できなかった。
心配なのは突発事故であった。交通事故でも起こして身体に故障が起こったら、やはり内定取り消しかなと思ったりした。正式に採用されてからならば、事故をおこしても、共済の保険でカバーされるし、半年ぐらいは回復を待ってくれると思う。とにかく、採用後と採用前では待遇が異なるから、気をつけていた。
若い頃は転職するたびに健康診断書を提出してくれと言われたが、特任教授では健康診断書の提出は求められなかった。つまり、60歳以上の年齢になると誰もがどこかに故障を抱えていて、持病を理由に採用を拒否するとたくさん該当者が出てしまうから、それは控えるということだろうと思う。
さて、今日、指定された会議室に行ったら、ちゃんと私宛の辞令と労働条件通知書が置いてあった。そこに座って新しい職場での様子を想像してみる。前の勤務校と共通する部分もあれば、異なる部分もあるだろう。とにかく、特任という形で再就職先が見つかったのであるから幸いとしたい。
話は異なるが、京都学園大学が京都先端科学大学へと名称を変えるという記事を読んだ。それにより、受験生が50%も増加したそうである。理事長は日本電産創業者の永守重信氏であり、私財100億円をなげうって、この大学を伸ばすという。関西圏では台風の目になるのではと思われる。18歳人口のますますの減少が予想されるこの時代、弱小の大学は大胆なことをするしか生き残る道はないかもしれない。ただ、大胆な施策をすることは、そこで働く教員への締め付けが厳しくなると思われる。
理事長は、京都先端科学大学を東大・京大に次ぐ、第三の大学にすると意気込んでいるが、それは従来からいる教員への強い締め付けになり、業績の芳しくない教員の退場が迫られるのではと思ったりもする。いずれにしても、大学教員は昔のような意識では生き残れないようだ。