オリンピックが近づいてきたが、コロナの蔓延は収まりそうもない。確かに少しずつ感染者数は減ってきているようだが、まだ、当局が想定していた数よりもはるかに多い感染者数だろう。

コロナの蔓延によって教育界も大きな影響を受けた。教員はまずZoomを使った授業ができないといけなくなった。いくら自分は電子機器は苦手と言っても、オンライン授業を拒否していたら、学内では白い目で見られるだろう。非常勤講師の場合ならば、次年度の契約の更新はあり得ないだろう。

ただ、正直言って、教室環境の設定は大変であり、事務職員のみならず教員の負担も重い。たとえば、学生にプレゼンをさせる場合など、対面か、オンラインでのプレゼンかなど、教員は学生に対して適切な指示を出す必要がある。自分もよく分からないのに、学生に適切な指示など難しい。

今年も各大学で新規教員の採用が活発化している。面接の時には、「自分はZoomを用いた授業に慣れている」という印象を与えるとよい。「ハイフレックス型と呼ばれる授業(同じ内容の授業を、対面とオンラインで同時に行う授業)などは得意中の得意である」と言う必要がある。

こんな時にほしい人材は従来とは様変わりだ。電子機器に明るくて、教室の環境設定の時などに助言をしてくれる人材が喉から手が出るほどほしい。先日だが、オンラインでの講演会の時だが、Zoomで多数の参加者の顔を写しながら、同時にパワーポイントなどに画面を即座に切り替えていた若手を見ていたら頼もしいと感じてしまう。

面接の時には、「何ができるか」と質問があるから、必ず「自分はオンライン型の授業には精通している」と強調することが大切だ。「自分の授業をビデオに撮ってありストックもたくさんある」などと答えたら、「とても頼もしい人材が面接に来た」と面接官たちは感じるだろう。

それくらい今回のコロナの蔓延は、教育システムに大変動を引き起こした。コロナが収まっても、いつ次の新型肺炎が生じるかもしれない。いや、むしろ定期的に感染がひろまるのだ、と覚悟を決めた方がいい。そんな時代に生き残れる大学は、「IT機器に精通した若手の教員が一定数いる大学である」。