大学教授になるには

女子大学が逆風にさらされている。

このところ、女子大学には逆風が吹いているようだ。大きなショックを人々に与えたのは、京都ノートルダム女子大学が募集停止を発表したニュースであった。ノートルダム女子大学は京都の東側に位置して、京都の文教地区の中心で観光の名所も多くて、地の利は大きい。京都のあれほど魅力ある地区にあって、入学定員330名ならば、それくらいの数を集めるのはさほど難しいという気もする。

でも、入学者数は、2024年には186人となり、充足率は約56%と下がったということだ。定員の充足率が5割を切れば、文科省からの補助金がなくなってしまうという恐ろしいペナルティがある。定員数を減らせば、形式的には充足率があがるので、募集停止まで決断するにはやや早いような気もする。ただ、経営陣は、被害が系列の高校や小学校に及ばないうちに、つまり、学園全体が機能停止になるのを避けようと考えたのであろう。

京都にある大学のほとんどには組合がある。伝統的に、組合の力は強くて、そこで働く教職員の権利を守ってくれる。高い給料に、豊富な研究費、住宅手当、サバティカルがある。経営者からすると高い人件費が学校経営のネックになったのではと推測する。強力な組合を相手に、労働条件を下げたり、給与を下げる交渉は難しかったろうと思う。

私が京都ノートルダム大学のホームページを見て思ったことは、かなりの数の教員が働いているな、という感想だ。すぐには雇用契約が解除とならないとしても、4年後にはほとんどの人が仕事がなくなる。職員は学園内の小学、中学、高校に異動となるのだと思う。しかし、教員はどうなるのか。定年が近い人はいいだろうが、中年の男性で家族を養っている人はどうなるのか。これから、必死で転職先を探す必要がある。

共学になるのも女子大学の生き残りの方法かもしれない。岡崎女子大学、京都光華女子大学が共学化する。そして、武庫川女子大学も共学化するという話だ。武庫川女子大学は十分に学生が集まっているので、共学化する必要もないように思えるが、10年先、20年先を見据えての経営陣の決断か。

私も女子大学で教えたことがあった。あるときに、卒業間近な4年生に「在学中の思い出」を書いてもらった。そしたら、「やはり、共学の大学を選べばよかった。女子高から女子大という進路で、異性と接する機会がなくて、自分の成長が十分に達せられなかった」とあった。卒業後は、否でも応でも、異性と接することになる。何の事前準備もなしに、異性と接すると戸惑うことが多いということか。女子大で学んだからと言って、自分の成長が制約を受けるとは限らないと思うのだが、そのように考える女性が増えているということか。