大学教授になるには

研究者の彼女


このブログを毎日何人かの人が訪問してくれている。訪問してくれている人の一般的な姿を想像してみる。おそらく、30代前後の男性で大学での職を目指す人が大多数だと思う。

その人たちの多くは交際している女性がいるか、あるいはすでに既婚者かもしれない。奥さんや彼女がいると、研究職を目指す男性はとにかく定職に就きたいと強く願うようになる。しかし、この時代、なかなか大学のポストは空かない。生活費は奥さんか彼女が稼いでくる、となると男性は立場が非常に弱くなる。定職に就いてない自分自身が恥ずかしくなってくる。結婚しているならば、奥さんはある程度はあきらめがつくだろうが、結婚に至ってない恋人止まりの女性ならば、甲斐性のない男性との交際はやめて、もっと稼ぎのいい男性を新たに探そうという気になるかもしれない。

「愛がありさえすれば幸せ」とか、「貧乏暮らしでも構わない」とは半年ぐらいはそんな気持が続いても、長期的な交際は無理だろう。そんなことで、結果的には、独身生活を送ってしまう人を何人も見てきた。

私自身も大学での研究職を求めて、しばらく無職の時があった。その時はすでに結婚していたので、結婚相手からの無言の圧力があった。相手は、はっきりとは言わないが私への憤りがあり、「こんな男と結婚するのではなかった」という気持がありありと見えた。さらに困ったことに、義理の母からの苦情であり、娘を不安定な状況にした、という恨み辛みであった。自分の場合は、ラッキーなことに、何とか数年で大学で職に就けたが、ラッキーでなかった人も多かっただろう。

人間として生きてゆくには、自分の納得のできる仕事について、結婚相手と幸せな家庭を作ることが望ましい。多くの仕事では、それが普通にできるのだが、研究職に関しては、その普通のことができづらい。昨今は、たくさんの大学で修士課程があって、また博士課程も増えている。博士課程を修了した人が毎年たくさん産出される。博士課程まで修了すると、やはりその知識を役立てる仕事に就きたい、つまりは研究職を求めるわけである。

そのなときは、需要と供給の関係、そして自分の実力を客観的に見る目が必要だろう。具体的にはどうしたらいいのか。自分自身の実力を冷静に判断して、たとえば、「40歳までに研究職に就くことができなければ諦める」という「見きわめ」が必要になってくるだろう。あるいは、いったんは、他の仕事(何か専門職)に就きながら大学での仕事を狙うというはありだろう。彼女がいる人はそのあたりをはっきりする必要があろう。女性に養ってもらいながら、結婚もできずに、30代の半ばまで女性を未婚のまま引っ張ることは決してほめられたことではない。

しかし、これは正解のないことなのだ。ひとり一人の固有の事情により、答えがすべて異なってくる。とにかく、このブログを読んだ方に運命の女神が微笑むことを願うのみだ。